徳島県山間部の孤立

徳島県山間部に予想もしない大雪が降り、3つの村が孤立状態になったのは12月5日。山道が通過不能になった理由に関して専門家がテレビで説明していた。本来であれば間引きすべき木々が、長きに亘り放置されたままになっており、それらが雪の重みで倒れ、道をふさいだとのこと。持ち主がはっきりしないため、勝手に伐採できず困っていると、県の役人は言っている。
 それを聞いて、昔の或る男性を思い出した。彼は徳島県の祖谷渓近くに住み、伐採した材木をトラックで運んで町に売りに来た。その際、私の家に泊まっていたからである。とてもさわやかで、明るい方であった。そういう男性が今でもいれば、今回のようなことにはならなかったのではないだろうか。
 みんな都会に出てしまった。残されたのは老人ばかり。98歳のおばあさんが大きな家で孤独死した話を聞くと、四国の山間部は限界集落になりつつあると思わざるを得ない。
 いずれにせよ、テレビのインタビューに応じる年寄達の話し方は私の慣れ親しんだ言葉なので、とてもなつかしかった。