喫茶 「つかさ」

 泰日文化倶楽部に時々、ビジターとしてタイ語を習いにみえる女性がおられる。その彼女が私にラインを送って来た。「つかさという喫茶店、御存知ですか? 手塚治虫がいつも行っていた店ですよ」
 私はすぐに返信した。「知りません」
 この喫茶店が教室の近くにあるらしいのはわかったが、一体、どこに在るのであろうか、とても気になり始めた。
 ところが、気にして散歩していると、すぐに見つかった。これまでいつもその店の前を通っていたのに、全く関心を持ったことがなかったから、店名を覚えていなかった。今どき、こんな古臭い喫茶店がるのであろうかと思っていた店だ。
 手塚治虫が愛した喫茶店であると知ったからには是非とも行ってみようと思って、店のドアを開けた。確かに、昭和の雰囲気がする店であった。客人は皆、落ち着いた大人達ばかり。壁に染みついた煙草のヤニの色が歴史を感じさせる。
 またこれからも来ようと思い、コーヒーの回数券を買った。