「秋=飽き」ではありません

 最近、浅草を紹介する番組を立て続けに見た。その中に、或る店の看板に興味を覚えた。「春、夏、冬」と書いてあり、「秋」はなかった。「秋=飽き」を連想させるからだそうだ。商売は人に飽きられるとおしまい。なるほど、なるほど。「秋=空き」であっても困る。しかし、「秋=開き」という考え方もあるのだがなあ? いずれにせよ、漢字を入れ替えながら、言葉遊びができるから、日本語は面白い。
 タイ語を習う生徒さん達は絶対に「秋=飽き」であってはなりませぬ。「秋=開き」の精神で勉強を続けること。
 昨日は敬老の日で祝日であった。しかし、問合せの電話が数本。「タイで2年、タイ語を勉強しました。帰国してから1年が経ちました。タイ語を忘れたくないので、またタイ語を勉強したいです」という女性には、初級か中級のクラスの見学をお勧めした。「秋=スタート」の精神で頑張ってほしい。
 タイ女性からも電話が有った。講師希望かと思いきや、御主人にタイ語を習わせたいそうだ。入門クラスが開講できるならば、是非とも勉強していただきたい。
 

着物レンタル店

 10月に挙行される結婚式にご招待を受けているので、先週、着物レンタル店へ行った。ところが、若いママと5才(๕ขวบ)の坊やのための七五三の着物選びに時間がかかり、私は1時間も待たされた。夕方からの授業が有ったので、その日はあきらめて店を出た。
 昨日は台風ですべての予定がキャンセルになったので、あらかじめ着物レンタル店に電話を入れて、営業しているかどうかを確認の上、雨の中を出かけた。
 私が入店した2分後に、若いカップルが入って来た。来年の成人式のための振袖を選びに来ていた。レンタル料が聞こえてきたが、振袖とあって、ものすごく高い。でも、人生最初の晴れ姿! 
 帰路、古本屋に寄って、寺山修司の本を4冊購入。店主はいつもの落ち着いた顔で座っていた。レンタル着物屋も古本屋も、台風など我れ関せずとばかり、普通の営業をしているのに感心した。

勉強日和(勉強びより)

 昨日、「タイ語入門 土曜日16:10」のクラスで講義すると、一人の生徒さんが次のように言った。
 「水曜日の授業も出席していいですか? これからは水曜日は絶対に早く退社しなくてはならなくなりましたので」
 水曜日を「ノー残業デー」と決めている会社が多いのは知っていたが、おそらく徹底していなかったのであろう。今後は会社に居残ってはいけないとなると、勉強かスポーツをするのが一番。
 泰日文化倶楽部では、水曜日に6クラスを開講している。そして、土曜日も同じく6クラスを開講中だ。新しく開いたばかりの中国語クラスを加えると7クラスになる。
 要するに、水曜日と土曜日が「勉強日和」なのである。習い事は、体力と気力の両方が備わっていないと持続しない。自己をコントロールできる人、そういう人こそが学びに適した人であると思う。

ラーマ9世の御葬儀とドレスコード

 昨晩、バンコク在住の太陽君のお母さんからラインが来た。
 「先生、御葬儀に着ていく喪服、もう用意してますか? チットラルダー・スタイルのタイドレスを着用しなければなりません」 
 そして、モデルが着ている写真も送信してきた。見ると、襟が立っていて、背中にファスナーがついている。胸がきれいに見えてすばらしいのだが、私には持ち合わせがない。スカート丈は勿論、ロング。
 「先生、買っておきますよ。私のサイズは42。先生なら40か38でしょうね」、と太陽ママ。
 「それじゃあ、40でお願いします」と、私。
 「私が買ったブランドものはいかが? 50%引きで買いましたよ」と、写真が追加送信されてきた。
 とにかく買っておいてもらわないと、バンコクに行っても御葬儀に参列できない。黒色の服なら何でもいいのかと思ったら違った。正式ืのタイドレス(ชุดไทย)でないとだめだそうである。しかも、チットラルダー式(ขุดไทยฉิตรลดา)に決まっているそうだ。後ろファスナーは厳しいなあと思っていたら、前開きボタンの服もあるそうだから、安心した。

日本蕎麦店とベトナム人

 我が家に泊まった知人御夫妻は昨年から浜松に在る日本蕎麦店を任されて、鋭意、頑張っておられる。8月上旬には私が彼らの家に泊めてもらったばかりである。その時は店の前を車で通っただけなので、店の中の様子はわからなかった。
 しかしながら、アルバイトとしてベトナム人を雇っていることは聞いた。そして、今回、再会した時も、彼らはベトナム人のことを話題にした。
 「宜しくお願いします。がんばります、と丁寧にお辞儀をしながら言われると、とても可愛く思われ、家に招き一緒にご飯を食べたくなります。しかし、辞めて行くのも早くて困っています。店の近くに日本語学校が有り、そこで勉強しているベトナム人を雇っているけど、突然、メールが来て、今、どこ?、と尋ねると、空港でした」
 ご多聞にもれず、蕎麦屋も人手不足に困っているらしい。ベトナム人同士で時給の情報交換をし、少しでも高いところに平気で移って行くという彼らの話を聞きながら、「タイでも同じですよ。アジアはそんなものです」と、私はアジア通ではない彼らをなぐさめた。

母心

 昨晩、知人御夫妻が我が家に泊まった。奥さんであるH子さんは双子の姉で、妹のM子さんも一緒に泊めてと頼まれていたので二つ返事でOKを出した。そして、我々4人は午前1時まで(ถึงตี๑)大いに語り合った。M子さんが次なる話をして聞かせてくれた。
 「息子は今年3月、上智大学博士課程を卒業しました。息子は来なくてもいいよと言っていたのですが、どうしても行きたくて、こっそり会場に行きました。すると、息子が総代として答辞を読んだんです! もうびっくり。そして、上智大学新聞を読むと、今年の退職者の中に、吉川先生のお名前を見つけました」
 彼女の話を聞きながら、立派に育った息子の晴れ姿を見て、その日が彼女自身にとっても「母親の卒業式」となったわけである。
 思いがけずも素敵な話を聞きながら、大学の教職から去って早くも半年になる自分を静かにふり返った。

新人講師

 昨晩の「タイ語中級 火曜日19:00」のクラスから、新しい講師であるシン講師が初講義をされた。彼を紹介したミカン先生と同じく、目下、東京医科歯科大学に留学中の文科省留学生であるが、医者ではなくて医療機器の研究をしておられるそうだ。医療関係の用語は難解なので、一般的な話題にしていただいたが、いずれにせよ実直なる好青年である。
 授業中、彼の顔をじっと見ていると、私の従兄の息子に非常に似ているように思われた。すかさず親近感がわいてきた。
 「私の顔、タイ人に見えますか?」と彼に尋ねると、生徒の一人が先に反応した。「タイへ行くと、吉川先生みたいな人、いっぱい見かけますよ!」、と。ところが、シン講師はこう答えた。
 「先生という職業のお顔をしておられます」 
 なるほど、彼はなかなかに観察眼が鋭い。

豆の話

 昨晩は、「タイ語中級 月曜日18:00」のクラスに、ピカピカ先生の代講として、チェンマイ出身のティウ先生が登板された。「家族全員がチェンマイに住んでおり、私は根っからのチェンマイ人(คนเหนือแท้ๆ คนเชียงใหม่แท้ๆ)ですよ」と強調されておられた。
 日本料理は何でも食べられるとおっしゃられたので、生徒達はすかさず訊いた。「納豆食べられますか?」
 先生の答えはこうであった。「ทานได้ค่ะ แต่ไม่ค่อยชอบ」
 生徒の中にタイ料理の研究家がおられ、チェンマイでも北タイ料理を習ったことがある女性が「チェンマイにも納豆(トア・ナオ)がありますよね」と発言した。
 しかし声調が間違っていたので、豆(ถั่ว)に関する単語を列挙し、発音矯正をすることになった。例:納豆(豆+腐るถั่วเน่า)、大豆(豆+黄色ถั่วเหลือง)、小豆(豆+赤色ถั่วแดง)、もやし(豆+芽が出るถั่วงอก)、豆を売る(売る+豆ขายถั่ว)、等々。

水稲荷神社の秋祭り

 昨日、授業後、高田馬場駅から上野公園行きのバスに乗り江戸川橋まで行く途中、早稲田通りで御神輿をかつぐ行列を見た。沿道沿いに立てられた幟(のぼり)を見ると、水稲荷神社と書いてあった。この神社の存在を私は知らなかったが、ネットで調べると、西早稲田の甘泉園の隣りに在り、日本稲荷古社の随一であると言われていることが分かった。
 行列を見ているうちに、気がはやって、江戸川橋ではなくて、一つ手前の関口一丁目で降りてしまった。そこで、江戸川橋まで神田川沿いに歩きながら、その神田川が井の頭公園から流れて来ていること、そして、松尾芭蕉が関を造るためにしばらくその辺りで住んでいたことなどを書いてある石碑を読んだ。
 水稲荷神社、関口、神田川、そして、江戸川橋….。これらはすべて水に関係している。あらためて、水の神様に感謝!

ミャンマー女性と生け花

 昨日、月に一回だけの生け花クラスが実施された。嬉しいことにタイ女性とミャンマー女性が一名ずつ参加し、久々に東南アジアの風を感じた。
 彼女たちは、全くの初心者であったので、女郎花(おみなえし)と鶏頭を生けた。そして、二人は自分の生けた花を花瓶ごと持ち上げて、相互に写真を撮り合った。そばで見ていた日本人が、「生け花を持ち上げるという発想は日本人には無いわね」と言った。
 ミャンマー女性は机の上に置いた花瓶をくるくる回しながら、いろいろな角度から更に写真を撮った。帰宅後、自分一人で行けるために参考にするためだそうだ。緻密で勉強熱心な彼女の姿に教えられるものが有った。
 一方、生まれて初めて日本伝統の生け花を生けたタイ女性は、美しい笑顔で、華道講師に恭しく合掌(ไหว้)をした。