御用聞き

メールの時代に入ってから、もうかなりになる。今や、主流はLINEだ。便利でいいのだが、65歳以上の高齢者が若者と同じ乗りで、手短に連絡することにいささか違和感を覚える。何よりも言葉の使い方がぞんざいになっていくのがいやだ。しかし、年下の人達は、少しでも短い文章を好むらしい。
 最近は、全く電話をかけなくなった。相手の声を聞くことはいいことだと思うのだが、相手が無駄話をいやがるかと思うと、あえて電話をしない。
 先週、大学生達に「御用聞きって言葉を知ってますか?」と尋ねると、誰からも全く反応が無かった。現代においては、インターネットで注文することができる。もう御用聞きという言葉は死語になってしまったのであろうか。
 感じのいい人、言葉づかいがきれいな人、腰が低い人が注文取りに来ると、何か頼みたくなるのが人間の常というもの。ましてや、ハンサムな若者が明るい声でやって来ると、商家の奥様なんかは、つい余計に注文したくなったものだ。しかし、マンション暮らしになり、かつ、生協とかコープとかの業者が出て来てからは、すべて電子注文と化し、人間的な交流が消滅した感が否めない。