校歌 vs ポップス

昨日から甲子園で第96回夏の高校野球が始まった。甲子園球場は、今年、御年90歳を迎えたとのこと。
 高校野球が開催されると、代表高校の校歌が流される。いささか軍歌調ではあるけれど、山紫水明の文言が歌詞に組み込まれているので、全国の代表的な山や川の名前を聞くことができる。
 そして感心する点は、ほとんどの歌が合唱して歌われているにもかかわらず、まるで一人の歌手が歌っているかの如く、歌詞が鮮明に聞き取れることである。
 最近、私から日本語を習っているタイ人が、「この歌、訳してください」と依頼してきた。まずは歌詞を聞き取る作業から始めたわけだが、その肝心の歌詞が聞き取れない。何度聞いてもわからない。
 最終的には、タイ人がネットで調べてきたが、とてもそのようには聞き取れなかった。たとえば、「ただただ」という表現が、「たらたら」にしか聞こえなかった。私は自分の耳を疑ったが、若い歌手の歌い方にも問題があると言いたい。
 さらに、歌詞の意味を訳そうとすると、主語が曖昧な上に、人間関係における言葉の使い方も昔とは異なるので、非常に訳しにくかった。