亥の子餅

11月5日、茶道教室で「炉開き」が行われた。炉に炭を入れる儀式である。<火>を取り扱うから、火事を起こしてはならない。よって、昔の人はその反対の考えとして、<水>の存在を念頭に置いた。

そのために11月の炉開きでは「亥の子餅」が供される。中国の陰陽五行説によると、「亥」は水の性質を持っているとのこと。寺院の天井に龍を描き、火事から免れるようにと願う考え方と同じである。

以上は茶道の話。なにはともあれ、「亥」は子孫繁栄を象徴する動物なので、亥の月(現代の11月)の亥の刻(21時~23時)に「亥の子餅」を食べると、1年間を無病息災で過ごせるという言い伝えが平安時代から有るらしい。外国の文化ばかりに浮かれるのではなく、日本の伝統維持も肝要なり。