サー・イコー

 出陣の前に円陣を組むのはいいことだ。士気が上がるからだ。東京ドームで行われたWBCの韓国戦の時、ヌートバー選手がダッグアウト(dugout)前の円陣で、日本人選手達に向かって、「サー・イコー」と檄を飛ばした。私にはそれが「最高!」と聞こえた。
 ところが、ダルビッシュ選手や大谷選手が選手控室で飛ばした檄は「さー、行こう!」であった。
 そこであらためてヌートバー選手の発音を考えた。「サー・イコー(最高)!」は、「サー・イコー!(さー、行こう!」であったのだ。
 いずれにせよ、ヌートバー選手の短い言葉には心がこもっていた。そして、彼の表情やジェスチャーがそれを十二分に表していた。日本人母から知らず知らずのうちに日本人の素養を植えつけられているにちがいない。