シルク vs  シルック

 今日は初釜。そこで新しい半襟をつけて清々しい心で臨もうと思い、半襟を買いに行った。ところが正絹(ไหมแท้ๆ)はあまりにも高く、買うのを躊躇した。どうせすぐ汚れるわけだから一番安いもので我慢しようと思い、呉服屋の店主に尋ねた。「一番安いものはいくらですか?」
 店主は答えた。「シルックというのが¥1,122でございます」、と。
 シルックと聞いただけで、私の頭の中はシルクのイメージがふわーっと沸いてきた。
 帰宅後、その製品を出してみると、それがポリエステルであることがわかった。「東レシルック(Sillook)は高貴な光沢で、絹の様にしなやかなサラリとした風合いを持ち、その上、丈夫で色あせや黄変がしにくく、保存が簡単です」と書いてあった。
 シルクは絹。だが、シルックはポリエステル製。企業のネーミングのうまさに一本取られた。