「刺さる」という動詞

 「刺さる」という動詞をコマーシャルで聞くたびに、不愉快な気分になる。この「刺さる」を調べてみると、2015年の新語ランキング第9位に入っている。従来の意味以外に、若者は「深く納得する」、「共感する」という意味で使っているとのこと。
 2015年の新語大賞は「じわる」であった。この動詞、果たして現在でも使われているのであろうか? おそらく廃語、死語になっているのではなかろうか。そう、思う。
 最近、入った食堂兼喫茶店で、店主が「うちの店は3階まであります。詩集の部屋です。3人限定で、私語は禁物です」と言った。私は思わず「刺繍の部屋」と勘違いした。「刺す」という漢字が頭の中にこびりついているからである。