緒方洪庵の適塾

『現代語訳 福翁自伝』(福澤諭吉 齋藤孝=編訳 ちくま新書 2011年)の中に、緒方洪庵(1810-1863)の「適塾」(1838-1868)の様子が書かれているので、以下に引用する。

 元来緒方の塾というものは、本当に、毎日毎日進歩するという主義の塾で、その中に入っている学生はみな活発で有能な人物であるが、一方から見れば血気盛んな年ごろ、乱暴学生ばかりで、なかなか一筋縄でも二筋縄でも始末におえない人物の巣窟であった。

 ひるがえって、我が泰日文化倶楽部を評するならば、これ如何に? 血気盛んな生徒はいない。タイ語に触れて、おだやかな気持ちを養生する方達が多けり。