職人の悲鳴

今朝、民放の経済ニュースで、都内で一番大きな三味線製造会社の社長が苦しい胸の内を吐露して閉業を決意した経緯が報道された。社員として働いている職人達は彼らの技術を後世に伝えて行きたいのにと、寂しそうであった。
 やはり都内で鞄を造っている有名な会社にも鞄の注文が入らない。だが、じっとしてはダメだと思い、端切れ皮で鼻緒を縫い、草履にすげていた。オシャレでなかなかによかった。
 神田川沿いにはまだ染色工房が残っており、東京オリンピック2020のPRのために染め上げられたスカーフがそこで製造されたが、おそらく注文はストップしていることであろう。
 約2年前、富山県の高岡市に行った時、落ち着いた雰囲気に接し、さすが職人の町だと思ったが、鐘や仏具の注文も減少しているに違いない。
 日本伝統の工芸の技術を伝承して行くには、忍耐だけではもうもたない。文化庁のお役人さんよ、しっかり考えて!