「งานอดิเรก 趣味」というタイ語

『知的熟年ライフの作り方』(小山慶太著 講談社現代新書 2000年)の序章のタイトルは、「学問のすすめ」から「楽問のすすめ」へ、と書かれている。時間がたっぷりある熟年世代に向かって、学ぶことの楽しさを示唆しており、参考にしたい箇所が多々、有った。学問ではなくて、楽しく学ぶ趣味的なものでよいというのであれば気が楽だ。
 タイ語で趣味は「งานอดิเรก」という。「อดิเรก」だけでもよい。文字から見て、サンスクリット、パーリ語からの単語であることはわかる。
 ひるがえってもう一度、この単語の成り立ち方を辞書で調べると、อดิ(adi)は元々は อติ(ati)であり、「特別の、極めて、甚だ、多い、卓越せる、過ぎ去った」という意味を有する。そして、เรก(reek)は元々は เอก(eek)であり、「一、第一」の意味が有る。大学関係で使われる場合は「専攻」になる。
 まとめると、タイ語で使われる趣味という単語は、「特別に専攻する」ということであり、งานอดิเรกと言えば、「特別に専攻する仕事」となる。単なる趣味だと気楽に言っておられなくなった。楽しみの中に卓越性を求めることが問われているわけだ。