九月の着物の色

まだまだ残暑が厳しくてたまらないが、着物の世界は、そして、茶道の世界はしきたりを重んじて、季節感を先取りしていかなければならない。茶道仲間が「暑くてたまらない」と言うと、講師が喝を入れる。「我慢!」
 「今月のきもの支度一覧」に依ると、九月に着るべき着物の色は、1)鬱金 2)利休茶 3)朱 4)抹茶色 5)紫 6)紺 と紹介されている。
 この中で<利休茶>という色のイメージがわくようでいてわかない。そこでネットで調べてみると、「色あせた挽き茶のような緑がかった薄茶色」と出ていた。もちろん実際の色見本もついているから、だいたいの色目はわかる。だが、それにしても日本古来の色を解説するのはなんとむずかしいことか。
 私は6月に単衣(ひとえ)の着物を新調した。90歳まで着られる色をと思って選んだ色が薄茶系。単に感覚で選んだまでだが、どうやら利休茶の範疇に入りそうだ。