啓蟄

 今日は二十四節季の「啓蟄」。冬眠していた動物達がそろそろ穴から出て来て動き出す頃…..。確かに、三寒四温の中にも、草木虫魚は確実に活動を始めている。人間様もコートを脱いで、軽やかに歩き始めたいものだ。
 「啓」という漢字は、「拝啓」でお馴染みであるが、あまり手紙を書かなくなった昨今、いささか疎遠になりつつある漢字である。以前は「啓」を使った漢字の名前をよく見かけたが、最近のキラキラネームに押されてフェードアウト気味。
 キリスト教徒であれば「神の啓示」という言葉が浸透しているが、無宗教に近い者にはやはり身近な漢字ではないと思う。
 では、「啓蒙」はどうか。昔、「啓蒙主義」という言葉が歴史の本に出て来た。ものすごく難しそうなイメージを受けたが、その意味するところは、「自然の光を自ら用いて超自然的な偏見を取り払い、人間本来の理性の自立を促す」という意味だそうである。
 情報が溢れ過ぎの社会において、自身に対する啓蒙をはかること、それは肝要なり。