新幹線で行くと、越後湯沢はあっという間に着いた。大宮と越後湯沢はわずかに1時間。1969年の冬に六日町に行った時には、川端康成の『雪国』の世界が味わえた。だが、もはやその情緒は無い。あまりにも便利すぎるから。
宿泊した旅館にはインターンで働いている中国人女性がいた。そこで、しばし片言の中国語で話しかけたところ、気持ちよく応じてくれた。
街を歩いていると、タイ料理店を見つけた。越後湯沢にもタイ料理店? だが、あいにくその日はお休みであった。
冬は銀世界の南魚沼地方。ロープウェイに乗って千メートルまで上がり、遠くの八海山を眺めた。そして、アルプの里の高山植物を愛でながら森林浴を楽しむ。
一週間前にヒマラヤをトレッキングして来たばかりの友人は、一人だけでスタスタと歩く。残された仲間と私はマイペースでのんびり歩いた。