桜見物 角館(1)

 4月25日(火)、北上駅から午前7時30分発のこまち号に乗った。たくさんの中国人観光客も同乗。角館には8時45分着。元タイ人講師が写真を撮るエネルギーを蓄えておきたいというので、タクシーで武家屋敷へ向かった。
 すでに大勢の観光客がごったがえしていた。枝垂れ桜を撮りまくる元講師から離れて、私は地酒の大吟醸の試飲をした。それから甘酒を飲みながら店先のベンチに座っていると、すぐそばに3台の脚立を立てたまま、何かをじっと待ち構えている一行がいるではないか。
 そんなところに元講師がやって来た。太陽が雲に隠れたのでちょっと休むと言いながら、隣りの一行も太陽光線を待っているのだと教えてくれた。彼らはタイから来た映画の撮影クルーであった。
 日照が確保されると撮影が始まった。チンピラ役の俳優は拳銃を構えるアクションを何度も繰り返した。主演の男優(ธนากร โปษยานนท์)は武家屋敷の黒塀の前に立った。背が高くて格好がいい。タマサート大学出身だから頭も良さそうだ。映画が完成しタイで上映されると、これで角館は一気に有名になるにちがいない。

桜見物 北上(3)

 北上では、中国人が断トツで目立ったが、インドネシア人やフィリピン人の観光客も見かけた。屋台が居並ぶところでは、日本人とアジアからの人々が入り混じって、思い思いに土地の食べ物を楽しんでいる。東北の春にアジアの風…….。面白いコラボレーションだ!
 元タイ人講師はとにかく写真を撮ることに夢中。一方、私はといえば、アジアの人々に遠慮なく話しかけた。フィリピン人の花見弁当はパンとミートソース。「食べる?」と勧められた。
 ベンチに座って北上川を眺めている60歳位の女性がいたので、タイ語で話しかけたがキョトンとされた。そこで英語に切り替えると、香港から来たということがわかった。姉妹で旅行中とのこと。
 カメラに夢中なのは妹のほうであった。やがて妹も加わって、いろいろと話をした。「あなたの英語はすばらしい!」と褒めてくれた。褒められると嬉しいものだ。馬場の教室に戻れば、生徒のタイ語を褒めてあげなければと一瞬思った。だが、やめた。あくまでも辛口を押し通そう。

桜見物 北上(2)

 元タイ人講師はライトアップまでずっと展勝地にいたいと言い出した。しかし、北上川に吊り下げられた鯉のぼりがまるで龍の如くくねっていること、そして、陽がかげってくるとともにどんどん寒くなって来たので、一旦ホテルに帰ることにした。
 案の定、彼女は言った。「ライトアップに行くのやめたわ。風が強いから」。
 そこで、ホテル近辺の食堂で夕食をとることにした。最初に入った店は予約が入っているということで断られた。2軒目の店に行ってみると、昭和の匂いのする食事処であった。客はゼロ。寒いので、その店で我慢することにした。
 店主は声が出ない方であった。小さなホワイトボードを使って客と意思疎通だ。店に貼り紙がしてあった。「声が出ません。何でもつくります」
 料理は美味しかった。しかし、一人で切り盛りしているから、一品が出て来るのに30分もかかった。だから追加注文はあきらめた。「お客さん、来ないの?」と尋ねると、彼はボードに「これから」と書き、笑顔を見せた。生涯独身だそうだ。それは私も同じだから、二人一緒に記念写真を撮った。

桜見物 北上(1)

 4月24日(月)、元タイ人講師と一緒に北上の展勝地へ桜見物に行った。ホテルに荷物を預けて、午前11時過ぎに北上川の船着き場まで行くと、背後からタイ語がいっぱい聞こえて来た。さっそく話しかけたところ、気さくに答えてくれた。チャンタブリ県から来た観光客達であった。
 我々は同じ渡し船に乗り込んだ。「ナーオ、ナーオ(寒い 寒い)」と彼ら。救命胴衣をつけて船べりに並んで座っているタイ人達を私はスマホで写真に撮った。展勝地の桜並木で満足そうに歩くタイ人達。写真のポーズがきまっている!
 夜、泰日文化倶楽部の生徒さんに渡し船の写真をラインで送ると、彼女からすかさず返事が来た。
 「私の友達が写っています。びっくり。右から3人目のジュースを飲んでいる女性です」
 それを知って、私もびっくり。偶然とはこのことか。

元タイ人講師と旅行します!

 4月24日(月)から、写真が得意な元タイ人講師(25年前)と一緒に北上へ桜見物に行きます。もしかすれば、角館まで行くかもしれません。帰京は26日(水)の夕方です。「水曜日19:30 タイ語入門」の授業には出席いたします。
 従いまして、ブログは3日間、お休みさせていただきます。

花の角度

 今年1月までは「アジア女性のための生け花教室」と銘打って、泰日文化倶楽部が主催していたが、東南アジアの女性達の参加が無くなって来てしまったので、10周年を迎えたのを契機に辞めた。ところが、華道講師がどうしても東京で教えたいと申し出られたので、有志だけで存続することになった。
 昨日は、「皆さん、基本を忘れていると思いますから、基本に戻りましょう」という華道講師の号令で、ブルー・パフューム、ガーベラ、そして鳴子百合の三種の花材を生けた。
「主枝は直立、副枝は45度、客枝は60度に傾けてください」と言われても、なかなか感覚がつかめない。だが、その通りにすると、花と花の間に空間ができて、そこに葉を入れていくと、全体が緑でしまることがわかった。
 角度をつけて空間を生み出す。そこに新たなものをあしらう。勉強になった。

母親から学んだ日本語

 昨晩、ドイツ生まれでドイツ育ちの男性と食事をする機会が有った。彼は茶道講師の親友の息子さんだ。来日は4年ぶりだとのこと。
 お二人は30年以上の知り合いだから、話に花が咲き、実に楽しそうであった。私は彼に質問をした。
 「ドイツ生まれでドイツ育ちなのに、どうして完璧なる日本語を話すことができるの?」
 彼は答えた。「母が家で徹底的に教えました。日本語の教科書もちゃんと手に入れて来て、日本人として恥ずかしくない日本語を、母はたたき込みました」
 それを聞いて、立派なお母様だと思った。徹底的に教え込むという精神こそが貴重である。息子の将来を思って日本語を教え込んだが故に、彼は来日しても全く困ることはない。

ARCADIA (理想郷)

 通夜や告別式に参列して香典を出すと、引換券が出てお返しをもらって帰るようになっている。しかし、お茶、海苔、かつお削り節などが入っているのが定番だから、帰宅後、すぐに開けることはしない。
 昨日、部屋の片づけをしながら、3月下旬に亡くなった寮友の告別式でいただいた紙袋を開けてみたところ、日本茶、コーヒー、そして、お菓子の缶が入っていた。モロゾフの「ARCADIA アルカディア」という焼菓子であった。
 ARCADIAの意味を調べて見ると、「理想郷」と書いてあった。語源はギリシャ語。ああ、ユートピアだ。アヨーディアだ。桃源郷だ。
 歌を得意とする私の寮友は、家でも美しい声で歌い、立ち居振る舞いがそれはそれは美しかったとのこと。ご主人が喪主挨拶で披露された。それを聞いて、会葬者は皆、ハンカチを目にあてた。彼女は今、理想郷において、ニンフ(妖精)として、天真爛漫に歌っているにちがいない。

一気呵成 vs マイペース

 昨年10月から極太の赤い毛糸を使ってベストを編み始めたが、プミポン国王の崩御(10月13日)で、赤い毛糸に触るのがなんだか悪いような気がした。しかしながら、どうにかこうにか編み続け、4月中旬、やっと完成した。
 編物講師であれば、3日位で編み上げることができるベスト。私は半年以上もかかった。そして、時間をかけすぎたから、編み目がふぞろいで、さらにボタンをはめる前立ての長さもちぐはぐ。最後は編物講師が見るに見かねて直してくださった。
 マイペースという言葉は自分を慰める言葉としては穏やかでいいが、マイペースだけでは結果が思わぬ方向に行くことがある。何かをやるには、雑念を一掃し、集中して、一気呵成にやることも肝心。語学の勉強も然り。

愛玉子(オーギョーチー)

 昨日、東京国立博物館平成館で開催されている特別展「茶の湯」を鑑賞。その後、東京芸術大学の前を通って上野桜木、谷中、そして、不忍通りの団子坂まで歩いた。
 東京は3日連続で夏日。そこで、途中で見つけた台湾のデザート「愛玉子(オーギョーチー)」の店に入り一服。池波正太郎が愛した店ということは知っていたが、一応、店主に尋ねてみると、「ああ、そこのところに座っていましたよ」と即答。僭越ながら、その席に座れば私も小説が書けそうな気がした。
 いやあ、それにしても谷根千(谷中・根津・千駄木)は欧米人の観光客が多い。芸大生が下宿していた家がおしゃれなカフェレストランに生まれ変わっているが、そこにも欧米人がたくさんくつろいでいた。フランス語が聞こえる。まるでパリにいる感じ……。