先陣の昔

昨夕、泰日文化倶楽部の裏手にある茶道具店へ抹茶を買いに行った。前回買った抹茶名は「悠和の白」。今回は違う名前のものをと思い、「先陣の昔」を選んだ。
 「先陣」という単語からは「戦い」のイメージが有る。あまり好ましい単語ではないが、お茶は武士の世界で好まれたものであるため、「もののふの魂」がこの抹茶名に盛り込まれていると思えば、納得。しかも、戦いにたおれた武士達の精神に触れるというのであれば、お茶の味も深くなる。
 今日は6年前に起きた東日本大震災の鎮魂の日。不運にもこの日被災され、天国に召された方々は私達の身代わりになり、多くの教訓を示してくださった。かれらは現代という魑魅魍魎なる戦いの中で、先陣となって斃れた。言葉遊びをするつもりはないが、「先陣の昔」という抹茶を買う時、何故か耳の奥で「先人の昔」とも聞こえた。