「人生百年時代のライフシフト術」

 『文藝春秋三月号』を買った。芥川賞全文掲載に惹かれたからである。だが、私にとっては、芥川賞作品よりも、「人生百年時代のライフシフト術」という文章(リンダ・グラットン女史に近藤奈香さんが取材し構成したもの)のほうに興味を覚えた。この文章で言わんとすることは、最後にきちんとまとめられている。
 「私たちは、これまでの伝統、ステレオタイプ、従来の<型>が次々と壊されていく過渡期の時代を生きています。敷かれたレールに上手く乗るよりも、いかに主体的に自身の人生設計に取り組むか、周囲をよく見て、どのように生きるべきかを一生懸命考えることが問われる時代です。一人ひとりに勇気が必要な時代だと思います」
 文章の途中には、「<百年ライフ>が現実のものになるにつれて、社会を構成する一人ひとりが生涯を通して学習し続けていくことの重要性が増すことになる」とも書かれている。そうだ、死ぬまで学習し、頭を研ぎ澄ませよう!