哀悼のタイ王国(38)

ハーヴァード大学の付属病院であるMt.Auburn病院は赤レンガ色が主体の明るい感じの建物であった。プミポン国王が誕生された時と同じ建物ではなくて、建て替えられたものであるのは明白だが、歴史的な場所に来ることができただけで、私は嬉しかった。タイ人がマサチューセッツ州に観光に来た際のツアーコースに入っているそうである。
 教えられた産婦人科病棟へ行くと、エレベーターホールに、国王と王妃の大きな御写真がそれぞれの額縁におさめられて、仲良く並んで飾られていた。病院側のタイ国王に対する敬意の念が十分に感じ取れた。
 プミポン国王の御父君であられるマヒドン王子は、当時、ハーヴァード大学で医学の研究を続けておられた。病院を出た私は、次にご一家が住んでおられたアパートへと向かった。住所は、ブルックリン ロングウッド通り63番地。
 途中、同じエリアに、あのケネディー大統領の生家が有った。Brookline, Beals Street 83。アメリカの歴史的場所なので寄ってみた。1917年5月29日に生まれたケネディー大統領の生家と、その10年半後の1927年12月5日に誕生されたプミポン国王がわずか半年だけお過ごしになられたアパートはものすごく近かった。