今朝、お茶を淹れようと思ったが、引き出しの中に以前から残っていたティー・バッグを思い出したので、早いところ、それを飲んでしまうことにした。
そのティー・バッグは伊藤園のもので、新俳句大賞 名作シリーズが印刷されていた。
なめくじは 走っているの かも知れず
この句を詠んだのは、てっきり少年か少女にちがいないと私は思った。しかし、「第17回 一般の部B(40歳以上)大賞 近藤和子」と、書いてあった。40歳以上の方が、このような観察をなさるとは、実に優しい感性をお持ちだこと。
ひるがえって、よくよく考えてみると、たしかになめくじは必死に移動しているのかもしれない。だが、それを見せないまま、いつのまにか移動している。静なる中の動。人生にも喩えられそうだ。