バンコクぶらぶら(8)

私はバンコク銀行に1995年から口座を持っているが、ATMだと、一日の引出し限度額が2万5千バーツだ。しかし、もう少し必要となったので、サイアム駅のすぐそばにあるバンコク銀行に行き、引出し用紙に必要事項を書いた。ところが、記載しなければならない項目が多すぎて面倒臭くなった。そこで、案内係の男性に尋ねた。「どこまで答えればいいのですか?」 彼はこう言った。「引き出し用紙? 別に書かなくてもいいですよ。そのままカウンターへ行ってください」
 私は非常に不思議な気がした。何も書かなくてもいいのであれば、用紙なんか置いておかなくてもいいではないか。
 カウンターの女性に通帳とパスポートを提示しながら引出し金額を言うだけでよかったが、事はスムーズに行かなかった。
 「あなたのパスポートは更新されていません。記録では旧いパスポートのままですから、下ろすことはできません」
 「2年前に来た時、他の支店で下ろせましたよ」
 「そうですか、じゃあ、今回に限り、特別に」
 私はやれやれと思った。しかし、結局、コンピューターが私の希望を受け付けなかった。
 「最初に口座を開設した支店へ行き、そこでパスポートの記録を更新してください」
 私が口座を開いた支店はトンブリに在る。行くのが面倒だ。だが、致し方なくタクシーに乗った。