古い古本

古本置き場にしていた部屋をリフォームすることにしたため、ここ2週間をかけて古本を別の部屋に運んだ。段ボール箱に詰め込んでいた本を一冊ずつ手に取ってみると、買った時のことが思い出されて、それはそれでとても懐かしかった。しかし、いちいち見ていたために2週間もかかってしまった。
 大半の本は1965年(昭和40年)以降、すなわち上京してから買ったものばかりだが、長くしまっていたために、古本が古古本になってしまっている。
 古い本の良さは、当時の時代に人気が高かった本がページを開いた途端、息を吹き返し、その当時を主張してくれることである。そして、使用されている単語に馥郁たる香りと余韻が感じられ、その時代に戻れることだ。
 新しい本にどことなく親しみが持てない昨今、これからは古古本ともう一度、向き合おう。そして、いつか捨てないといけない……。