一昨日、下落合駅近くの神田川沿いを散策していたら、「寒天工房 讃岐屋」という茶屋が目にとまった。食事を終えたばかりであったが、「讃岐」という文字にひかれて、店内に入った。寒かったので、ぜんざいを頼む。「少々、お時間がかかりますよ」と言われたので、店に置いてあるちらしを見て待つ。
この店は創業大正三年(1914年)であった。したがって、もう101年が経っている。店主はおばあさん。
そのおばあさんが工房の中からひょいと出て来たではないか。さっそく、私はたずねた。
「あのー、讃岐屋というお店ですが、何故、讃岐ですか?」
「わたし、香川からきたからです。50年前に」
「わたしも50年前に、香川から東京に来ましたよ」、と私。
その後は同郷人同士として、ものすごく気が合った。彼女はこのお店に嫁いで来たのであろう。
私が彼女(76歳)に感心したのは、非常に丁寧な仕事をしていることであった。日本一の寒天造りに誠心誠意、邁進している姿に、私は学ぶものが多かった。