「~さん」or 「~様」

 先日、通訳の仕事で小さな病院へ行った。受付で待っていると、貼り紙が目にとまった。
 「これまで、お名前をお呼びする時、~様づけでお呼びしていましたが、これからは、~さんでお呼びすることにしました。よろしくお願いいたします」
 そこの病院へ行ったのは初めてであったから、意外に思った。何故ならば、ほとんどの病院は~さんで呼んでいるとばかり思っていたからだ。
 しかし、メールを書く時、私も悩む。無難に済ませるには、「~様」を使うのが一番。ところが、友人からは、「~さん」で来る。親しい気持ちが伝わって来て嬉しい。にもかかわらず、私はついついあらたまりすぎて、「~様」になってしまう。
 最近のメールは、相手先を書かず、すぐ用件に入っているのもある。それはそれでいいのかもしれないが、人間関係が事務的になり過ぎてしまっているような思いがする。
 すべては自分と相手の関係であるが、呼称というものは、いつまでも気になる項目だ。