わあ、手作りっぽい!

先週、台東区根岸で、約27年間、営業している精進カレー料理店へ行った。マスターの話が傑作であった。
 「今日、食べログを見たという若い女の子が茨城から食べに来たんだけど、‟わあ、手作りっぽい!”と言ったんですよ。私は精魂こめて料理を作っています。手づくりっぽいどころか、正真正銘、手作りなんだけどね」
 マスターはさらに続けた。
 「今はコンビニで売っている食べ物、皆、美味しくできてますからね」
 テレビを見ていると、コンビニで売られている食べ物のコマーシャルが次から次に出て、それを買わずにはいられないように誘導されていく。若者だけではなくて、高齢者までかこい囲まれているような気がしてならない。
 茨城の女の子は、「本当に手作りだわ! 感激!」と言いたかったのであろうが、それが、「わあ、手作りっぽい!」となってしまった。
 最近、日本語の使い方が変わって来ているケースが多々、散見される。