解体工事

隣家が解体することになったので郷里に帰った。解体業者から、「お盆前には終わらせます」と聞いていたので、それに合わせて帰省したのに、まだ終わっていなかった。
 工事責任者に解体の遅れを尋ねてみたところ、「増改築を繰り返した家なので、構造計算上、建物にかかっている圧力がそれぞれに異なっており、一気に解体すると、隣りの家に躯体が飛んでしまいかねないから、時間をかけて、ゆっくりと解体しているというわけです」との説明。
 それを聞いて、構造計算は建物を建てる時には必要だが、解体する時にも大切な作業であることを知った。
 タイ語教師として、この話から得られた教訓。それは、いろいろな方法でタイ語を学ばれた方達を教える場合、くせがつきすぎていて、非常に教えにくく、成果を出すのに相当の時間がかかるということだ。語学にも構造計算が必要なり。
 これは蛇足だが、解体業者は私の家を解体した方と同一人物であった。
「20年前にやらせていただきました。なつかしいです」
 それを聞いて、田舎の誼(よしみ)を覚えた。