「庇う」という漢字

 読書していると、「あくまで庇う」という表現が出てきた。「庇う」は、「かばう」と読む。しかし、この「庇」という漢字は、名詞であれば、「ひさし」と読む。
 「庇(ひさし)」を調べると、窓の上に設置されている雨除けの部分を指しており、「軒(のき)」とは違うと説明されてあった。いずれにせよ、マンション暮らしの都会人にとっては、庇も軒も区別がつかないどころか、その言葉すら忘れられようとしている。
 タイ人が編集した『日・タイ』の辞書で調べてみると、庇は、ชายคา と書かれてあった。しかし、もう一つの単語も併記されていた。ปีกหมวกด้านหน้า (帽子の前方につけられているつば)
 次に、冨田竹次郎氏の『タイ日辞典』で、ชายคา を引くと、「軒、ひさし」と、訳されていた。
 大学の授業は今日、出講すれば、明日から冬休み! いろいろな辞書を引き比べる遊びは意外と面白いから、退屈まぎれになる。そして、語源遊びにまで発展すれば、言葉に対する関心度が高まり、一挙両得だ。