大分旅行(7)

親戚の結婚式は、国宝臼杵石仏の御前で仏式により挙行された。丘陵に鎮座する石仏群は平安時代から鎌倉時代に彫られたものだそうである。山麓から丘陵へと登って行く新郎新婦。眼下に広がる黄金の稲田、たわわに実る柿の木、そして、コスモス。日本の原風景に心がなごんだ。
 臼杵の石仏は、かつて首が落下していたものがあったそうだが、それを元通りに戻すと、石仏の威力が蘇ったとのこと。そこで、「首がつながった!」という新解釈が生まれ、人生の岐路に立たされている人には有難い石仏ということになっていると聞いた。
 披露宴は臼杵市内で136年続く老舗料亭(明治11年創業)で行われた。臼杵はふぐ料理が有名な町なので、当然、ふぐも御膳にお目見えした。ふぐは縁起をかついで、「ふく(→ 福に通じる)」と書く地域もあるが、臼杵の町はいたるところ、すべての看板が「ふぐ」で通していた。