本郷の古書店

昨日、本郷へ行った。仕事が午前中で終わったので、午後は本郷界隈を散策することにした。だが、あいにくの土砂降り。そこで古書店に入る。
 その古書店は中国関係の専門書店であった。雰囲気が違う。威厳が感じられた。
 奥の方から中国語が聞こえてきた。女性の中国人が通訳している。「15万円」と店主が言うと、そこで値段交渉が始まった。結局、中国人の客は14万円で購入。古書を包んでもらって店を出て行く時の満足気な顔。よほど購入したかったのであろう。
 中国人が中国語の稀覯本を買って行く。散逸したものを買い集めているのであろう。
 そのあと、別の古書店にも寄ってみた。女主人が喋ること、喋ること。「うちはもう83年やってます。息子が継いでくれないので…」
 私は言った。「大丈夫。息子さんが定年になってから継いでもらえばいいでしょう」
 「主人は先代から引き継いで50年やってます。目利きには時間がかかるのよ」と、女主人。彼女は71歳であった。