四時に用事があります。

 先日、タイ人に日本語を教えていると、「四時」と「用事」の発音の違いがわからないと言われた。それではと思い、「四時に用事があります」という文章を何回も聞かせたが、やはり違いが聞き取れないそうである。日本人にとってみれば、単に短母音と長母音の違いだけだと思うのだが、発音がむずかしいらしい。
 たしかに、タイ人は、「おじさん」と「おじいさん」、「おばさん」と「おばあさん」をよく混同している。
 「四」の字は、数字としては「よん」で習うから、「四時」のことを「よんじ」と発音するタイ人が多い。「<よじ>ですよ」と教えてあげてもわからない。ついには、「<よん>と読む場合と、<よ>と読む場合の区別を教えてください」という質問がきた。
 だが、こればかりはケース・バイ・ケースだから、自然になじむしかない。たくさん発音して、直されながら覚えていくことだ。
 最近、独学をしているという方からメールで質問があった。似たようなタイ語の発音の違いがわからない、どうすればいいか、というお悩み相談だが、メールで回答するとますますわからなくなるのを危惧して、回答は避けた。タイ語の単語をカタカナ書きすると、もはや単語の違いは見えなくなり、より一層、悩みが増すだけだからだ。