ブータンの子供の絵画展

昨日、六本木にある国立新美術館へ行った。大学時代の友人で、国画会に所属している画家が「第88回国展」に出品しており、招待状を頂いたからである。彼女は毎年、出品しているので、この季節になると、毎年、私は必ず見に行くことにしている。上野の都美術館から六本木に移った時は少し違和感があったが、今はもう慣れた。会場が広いので見やすい感じがする。
 ところが、施設はよくなったのに、年々、これはという作品、即ち、共感を覚える作品に出合うことが少なくなっているのは何故であろうか。皆さん、プロの画家だから上手だ。だが、きれいにまとまり過ぎていて、訴えかけてくるものが感じられない。
 そそくさと美術館をあとにし、新宿西口まで帰ってきた。すると、西口地下のビルにあるプロムナードに、「ブータンの子供の絵画展」という企画を見つけた。7歳から12歳位までの子供の絵は、実に純朴だ。山を背景にして、小さなパゴダを描いている絵は、そこの場所の空気感までが伝わってきてすがすがしい。<一年のできごと>と題された絵をよく見ると、合掌して感謝を表わす農民達がたくさん描かれている。大地の恵みに感謝するブータンの人々の自然な姿が絵画を生き生きとしたものにしている。
 六本木で見たプロ集団の絵画と、新宿西口で見たブータンの子供の絵。絵には描く環境や心が如実に表わされる。一体、どちらが幸せかな?