バンコク第3日目の午後は、買った教科書をホテルに持ち帰り、すぐにまたホテルを出た。短い滞在だから、寸暇を惜しんで動きまわりたかったからである。両替のためにタニヤへと向かう。
BTSから見たルンピニ公園には大いに失望。テント、また、テントで、これまでの様相とは一変していたからである。シーロム交差点も閉鎖されていた。アジ演説が聞こえる。午後4時頃のタニヤはなんだか寝ぼけた感じで、閑散としていた。
再び、BTSに乗り、サパーンタークシンへ行った。頼んでおいた洋服を取りに行くためである。しかし、6時までにはまだ時間が有ったので、ロビンソンで軽く何かを食べようと思って地下に降りて行くと、「丸亀製麺」の店が目にとまった。タイまで来て讃岐うどんを食べたいとは思わなかったが、うどんのこしの強さは果たしてどのくらいなのか、本場讃岐の出身である私はどうしてもチェックを入れたくて、釜揚げうどんを注文。79バーツ(約250円)。うどんの表面がやわらかくて、不合格。出しが甘くて、これまたダメ。
約束の6時に洋裁店へ行ったが、1枚だけまだ仕上がっていなかった。そこで、マネージャーと1時間半、話をしたが、妹さんが2ヶ月前にオートバイにはねられて死亡、60万バーツの補償金で泣き寝入りしたこと、病気で弱っている母親には妹の死を知らせなかったが、その母親も1ヶ月前に亡くなり、今はものすごく落ち込んでいると彼女は言った。唯一の救いはお寺へ行くことだそうだ。聞くところによると、子供を有名な私立高校に通わせている。しかし、御主人が公務員(警察官)なので、授業料の減免があり、助かっているそうだ。
「人生半ばを過ぎると、人生観が変わりますね。いろいろなことが有りますが、今は心を穏やかにして暮らすようにしています」と、彼女は言った。