茶色 vs 栗色 vs  砂糖色

 フランス語の授業では、色の名称を習っている。初心者にとって、色の名称は、挨拶や数字の次に習う内容の一つである。テキストがカラー版だから、なかなかに興味深い。
 フランス語では茶色のことをマロン色、すなわち、栗色というそうだから、発音するたびにおいしそうな栗が頭に浮かぶ。女性の髪の毛もマロン色というそうだ。そういえば、「亜麻色の髪の乙女」というが、感覚的には近いのかもしれない。
 それに引き換え、タイ語では、茶色のことを砂糖色(シー・ナムターン)という。サトウキビを搾ると、たしかに茶色の液体が生じる。これまた、想像するだけで、甘い気持ちになる。
 日本では茶色。たしかに茶葉を煎ると、茶色になる。香ばしい香りがいい。渋い表現だ。
 秋から冬に向けて、黒色の洋服を来た人が多くなるが、茶系を選んでいる人もよく見かける。茶系は落ち着きがあって品がいいが、気をつけないと、顔が暗く映ることがある。しかし、フランス語風に、マロン色と言うと、なんだか急におしゃれになったような気分になるから、これまた不思議である。