昨日、早朝から仕事が飛び込んで来たので八王子へ行った。急ぎだったので八王子駅からタクシーに乗った。運転手さんは高齢者。「朝早くからご苦労様です」と私は彼をねぎらった。だが、反応がない。そこで一段と声のトーンを上げて、彼に訊いた。「今日は何時から何時までのお仕事ですか?」
彼はやっと答えてくれた。「私は夜は仕事しません。酔っ払いを乗せると厄介なんです。タクシーの中は汚すし、警察沙汰になることも多いからね。少し稼げればいいです。年金もあることだし」
「失礼ですが、おいくつですか?」と私はさらに訊いた。彼は無反応であった。都合が悪いことは聞かないようにしているのかもしれない。嫌な客を乗せて運転すること数十年。もういいやというふうな感じであった。
