ขยับという動詞

「タイ語中級 火曜日10:30」のクラスで、「ขยับ 場所を動かす/ずらす」という動詞が話題になった。そこで、私は卑近な使い方を参考までに挙げた。「電車やバスに乗った時、あるいは待合室で、もう少し詰めればもう一人座れるような場合、ちょっと詰めてもらえませんか? とそっとお願いする際に使えますよ」、と。

今年9月中旬から新しいタイ人講師を迎えた。彼女に生け花教室への参加を促すと、気に入ってくれたようで、華道講師の指導を素直に受けている。彼女は目を輝かせながら言った。「ขยับกิ่งไม้นิดหนึ่งก็สวยขึ้น 枝をちょっと動かしただけで美しくなる!」

私は彼女の口から「ขยับ」という動詞を聞いて、使い方の勉強になった。タイ人が自然に使う動詞こそが生きた動詞だ。テキストを翻訳するためにすぐに辞書を引いたり、翻訳アプリを使うのはなるべく控えよう。タイ人の口から発せられる生きた動詞をしっかりと聞いて、すぐに応用することが肝心なり。

今日のタイ語作文

1.健康は自分にとって宝である。

2.月1で医者に会い、治療に関する助言をもらおう。

3.肉と魚を交互に食べ、どちらか一方に偏らないようにしよう。

4.暴飲暴食さえやめれば健康改善は進む。

5.とはいえ、寿命は人によりけり。悔やまないで、明るく生きよう。

四半世紀前の雑誌

どうにか平常なる生活に戻った。退屈である。机の下に積読されている雑誌。手に取ったのは『オール読物』(文藝春秋・2001年3月号)であった。表紙に「第124回直木賞決定発表」と書いてある。おそらくそれに惹かれて買ったにちがいない。

折りたたんでいる目次を開く。作家の名前に次から次へと目を移すと、今では鬼籍に入られた方がいっぱい。例:井上ひさし、黒岩重吾、田辺聖子、津本陽、平岩弓枝、渡辺純一、他。驚いたことは、この本のトップを飾っている栄えある直木賞受賞者の山本文緒さんまでもが2021年に亡くなっていることだ。

目次の広告に目をやると、「伊佐須美神社」という知らない神社がPRされている。「東北でも有数の格式を持ち、祈りの国・会津の文化と精神のふるさとです。美しい会津路を辿って、この心の聖地へ、あなたも、旅をしてみませんか」

人様(ひとさま)には寿命有り。作家とて、命短し。だが、神様は永遠。目次に描かれた神社の奥殿におわします神様に合掌し、長寿の恵みをとお願いした。

今日の語彙

バンコクの区名は50区有る。そのうちでよく聞く区名を14区、書いてみよう。カタカナ表記では有気音・無気音、短母音・長母音、母音(例:เอ /แอ/เออ/อู/อือ/โอ/ออ 等)、そして、末子音のn/ngが不明瞭であることを了解しておいてほしい。

1.バーンカピ区      2.バーンケーン区

3.バーンナー区      4.バーンラック区

5.バーンスー区      6.バーンコークヤイ区

7.チャトゥチャック区   8.ディンデーン区

9.パヤータイ区     10.ワッタナー区

11.クロントイ区    12.プラカノーン区

13.パトゥムワン区   14.タリンチャン区

味の有る人

昨夜、「ねりま演劇を観る会」主催の『猫、獅子になる』(劇団俳優座 公演)を観劇した。若い劇団員達が一所懸命に演じていたのには好感が持てた。だが、やはり何と言っても岩崎加根子さん(93歳)の存在感。劇団俳優座の第一期生(1949年)として、今日まで現役である。台詞も明瞭。味の有る女優として、舞台にいぶし銀のオーラを放っていた。

ところで「味」という漢字だが、「口+未」から成る。不味いものを食べれば、その日一日、気分が悪い。それを帳消しにするために、もっと美味しいものを探す。よって、今日よりも明日、明日よりも明後日が待たれる。 

人との出会いも然り。「味の有る人」、「味わい深い人」に出会えると、とても気分がいい。参考にしたいなあ…..。そう思うことで、自らの味を少しずつ高めていこう。

針供養

昨日(12月8日)は日本の歳時記によれば「針供養」の日であった。「針供養」と言えば、蒟蒻に針を刺し、使い終わった針に感謝する。そして、裁縫の腕が上がるように願う日である。世の中、ユニクロ一強だが、手縫いの仕事は何としてでも残して行きたいものだ。洋裁の専門学校も頑張って生き延びてほしい。

先月のタイ旅行で王宮へ行った時、タイ女性の喪服姿を千人以上見た。ほとんどがオーダーだ。ファッション界をリードされた元王妃とのお別れ故に、参列者達はきりりと背筋を伸ばし、タイ式の喪服が似合っていた

バンコクで会いたかった女性がいた。それはブティック経営のピムさんだ。オリエンタルホテルのアフタヌーンティーの後、彼女の店へ寄ってみた。8年前は彼女が不調で不在であったが、今回は再会を果たした。店内は全く変わっていなかった。18歳でお針子になり、営々と頑張った結果、68歳の彼女は今ではたくさんのお針子を抱える経営者となっている。

今日の翻訳

ラーマ9世の御母君を敬慕してやまない詩人が書いた『พรรษาที่ร้อยเอ็ดสมเด็จย่า』(มะเนาะ ยูเด็น/วันนาว์ ยูเด็น共著 ศึกษาภัณฑ์พาณิชย์刊行 พ.ศ.๒๕๔๔)の冒頭部分から抜粋して出題する。

๑. ชีวิตเวียนเปลี่ยนไปไม่สิ้นสุด

๒. ชีพมนุษย์ดุจนิยายคล้ายความฝัน

๓. มีขมหวานผ่านมาน่าอัศจรรย์

๔. ให้สุขสันต์โศกสร้อยตามรอยกรรม

๕. ได้อำนาจวาสนาถลาโลด

๖. ออกโอยโอดสะอื้นอกเมื่อตกต่ำ

๗. ได้พบเห็นเช่นนี้มีประจำ

๘. ผู้มีธรรมคอยเตือนอย่าเคลื่อนคลอน

アーリー・マンション(อารีย์ แมนชั่น)

昨日、今年最後の「アジア女性のための生け花教室」を実施した。参加者は7名。お稽古の後、華道講師と11月のタイ旅行について話題が尽きなかった。旅行前、彼女は「吉川先生について行くだけでいいです」と言っていたが、ワット・アルンと、かつて住んでいたことがあるスクムビット26のアーリー・マンション、そして、その近くのバミー屋への郷愁が強く、その気持ちを組み入れて、願いをすべて叶えてあげた。

まずは腹ごしらえとしてバミー屋「ルンルアン รุ่งเรือง」へ。一杯60バーツ(約300円)は納得。1935年創業のこの店はミシュランのお墨付きだけあって、大勢の客でにぎわっている。ゆっくり食べているわけにはいかない。

食後、華道講師は店を出たかと思うと、一人すたすたと歩き出し、ソイをさっさと渡って白い瀟洒なマンションへと入って行った。守衛さんに挨拶もせず、奥に有るプールの方まで進んだ。あとからついて行った私は守衛さんに説明した。「彼女は40年前にこのマンションに住んでいたことがあるので、とても懐かしいのです」、と。

しじみ汁

一昨日、これまでに利用したことがない郵便局に入ると、人が少なくてたいへん良かった。高田馬場の郵便局だと中国人留学生に占拠されているも同然だからだ。

郵便局員がてきぱきと応じてくれたので用事はすぐに済んだ。さっさと郵便局を出ようとすると、そうは問屋がおろさなかった。「お客様、このしじみのおみそ汁、ものすごく美味しいんですよ」とセールストークが始まった。

しじみが疲労回復に良いことは重々わかっている。嫌いではないから10袋(調味みそ付き3食入り)を購入。「しじみ汁を飲みながら、今年をしみじみと振り返ろう」という思いがあとを押した。

島根県宍道湖産のしじみ汁である。「しまねけんしんじこさんのしじみじる」をタイ人に言わせると、「ちまねけんちんぢこさんのちぢみぢる」に近い発音をするような気がする。日本人であっても、早く発音しようとすればきっとつかえて、一度では言えないかも。

今日のタイ語作文

1.ธันวาคมは、射手座から由来している。

2.即ち、タイの月称は星座名が関与している。

3.光陰矢の如し。

4.年末で退職する人の送別会がたくさん有って、もう大変とぼやいている人がいる。

5.皆それぞれの人生だ。