悲しくも信じられない話

昨日、歯医者の卵であるタイ人講師が、「タイ語中級 土曜日14:00」の自由会話クラスで、次のような話をしていた。
「私の大学の先輩が、新婚旅行で行ったグランドキャニオンで、二人とも雷に打たれて亡くなりました。結婚してわずか10日目のことでした。ご主人は文学博士です」
それを聞いた我々は皆、一瞬、あっと息をのんだ。そして、お二人の冥福を祈った。旅先におけるタイ人の事故については日本の新聞に出るはずもないから、タイ人講師がしゃべらなければ、我々日本人は知る由もない。
悲しい話、不幸な話を自由会話の時間に取り上げるのは不謹慎かもしれないが、話題にのぼらせることで、その人達への思いが伝わればいいという考え方もある。
タイは仏教国であるから、タイ人は、悲しい話、不幸な話は鷹揚に受け止める自助作用を有している。人生はいろいろ、何でも有り。しかし、明日が来ない日はない。合掌は心の中でずっとなされ続けているのである。