英語教師からアーティストへ転身

昨日、西麻布のギャラリーへ出かけた。新潟在住の親友から、彼女の友人の個展を見に行ってくださいという案内を受け取っていたからである。
 会場で作品にじっと見入っていると、一人の女性が近づいて来た。親友が紹介した作家であった。いろいろ話しているうちに分かったのだが、彼女は元々は高校の英語教師であったそうだ。世界史を教えていた私の親友と教員室で隣りどおしで座っていたとのこと。
 英語教師が何故、アーティストに? 非常に興味を覚えた。英語教師を辞めたのは、ご主人のニューヨーク転勤がきっかけだったようだ。ソーホーへ作品を持ち込んだ様子を熱烈に語る様子を見ると、ニューヨークでアート魂が開眼したのだなあと、私は勝手に想像した。シカゴの美術会員になり、毎年のように出品しておられる話を聞くと、ますます彼女の熱意が伝わってきた。「私、戦前生まれなんですよ」という言葉を聞いて、「すごいなあ。負けてはいられない」と、大いなる刺激を受けた。
 「最初は油絵をやっていたのですが、今は立体のほうが面白くなって。現代は3Dの時代でしょ!」と言われると、彼女のヴァイタリティのすごさに圧倒された。語学教師でのんびりしている場合ではない。