タイ語入門クラスの生徒さんの一人が、「先日、公園でタイ人に話しかけられたのですが、あわててしまって何も言えませんでした。<嫁がタイ人です>と、伝えたかったのに、嫁という言葉がわからなくて……」と、おっしゃった。
それを聞いて、私は言った。「あら、残念。確かに、入門のテキストでは、嫁という単語は出てきませんから仕方ないですが、習った単語を並べても、同じような表現ができたと思います。たとえば、① 息子はタイ人と結婚しています。 あるいは、② 息子の奥さんはタイ人です。しかしながら、あわてると、なかなか軌道修正できないことがある。嫁という単語にとらわれると、他の表現が浮かんでこない。
私も、この間、「慢性」という単語が思い出せず、少々あせった。かなり近い線まで思い出したのだが、あと一歩で通じない。そこで、「ずっと長く罹っている病気」というふうに言い換えて、どうにかこうにかその場は済んだが、日頃からあまり使わない医学用語に弱いことが思い知らされた。
単語はすぐに忘れる。忘れないようにするには、毎日、少しでもいいから、単語のおさらいをすることである。タイ語の構文自体は、そんなに難しくはない。あくまでも単語力が勝負だ。