タイ万華鏡

日本好きのタイ人が日本への旅行を繰り返す。この傾向は年々顕著だ。彼らは平均的な日本人以上に日本を観察して楽しんでいる。逆も有り。すなわちタイ好きの日本人がタイの隅々へと足を延ばし、タイが放つオーラにひたって、日本では感じ取れなかった自由を満喫する。そして、ロングステイを選ぶ。

泰日文化倶楽部の生徒達から彼らの経験したタイやタイ人との思い出話を聞きながら、その一つ一つのピースを繋いで行くと、まるで万華鏡の如く映像が多色に展開し、キラキラと輝いて見えるような気がしてきた。

日本人がタイと本格的に貿易を始めたのは日タイ通商条約が締結された1887年前後からである。もちろんアユタヤ時代にも日本人は活動していたが、ここではそこまで遡らないことにする。バンコクに居住した明治の人達が現在のバンコクを天国から俯瞰するならば、果たして如何なる感慨を懐くであろうか? おそらく極天の万華鏡に見えるに相違ない。