猫の相性

私の八戸行きには他にも理由が有った。それは猫カフェへ行って贔屓にしている黒猫(ヤマト君)に会うことであった。しかし、開店11時に飛び込んだものの、お目当ての猫はいなかった。店長に尋ねると、「他の猫と折り合いが悪いため、まだ別部屋から出していません」とのこと。

東京から遠路はるばる4年ぶりに会いに来たことを告げると、店長は私を気遣ってヤマト君を出して来てくれた。しかし、ヤマト君は部屋の中を落ち着きなくうろうろしてばかり。餌をやろうとしても私には寄りつかない。

そのうち、他の猫といがみ合いが始まった。店長が言った通りだ。ヤマト君の心に何が生じたのだろう? 彼は里子募集の対象になっていた。大事に保護されている環境にいながらも相性はいかんともしがたい。生き物同士に展開される相性問題について深く考えさせられた。