目を開ける

 タイ語で「目を開ける」は「ลืมตา」という。<ลืม>は<忘れる>という動詞だから、考えてみれば不思議や不思議。疑問が頭によぎると、その時点で会話がストップするから、まずはエイヤーと意気込んで発声すること。それを繰り返していると、躊躇していた表現が自然に使えるようになるのである。テレビに出て来る外国人タレントも、エイヤーの繰り返しで日本語が上手になったと、私はそう見ている。
 『タイ日辞典』(冨田竹二郎編纂)に、面白い例文が紹介されている。「ลืมตาอ้าปากได้แล้ว」とは、「目も口も開けられるようになった」(直訳)→ 「世間並みの暮らしができるようになった」(意訳)
 ただし、もう一例、<เปิด 開ける>を使った表現が紹介されている。「เปิดหูเปิดตา」=「より多く見聞するために耳目を開く」(直訳)→「外遊すること、等」(意訳)とのこと。