吉備団子

 昨晩、岡山県出身の生徒さんからお土産を頂いた。それは小さい時から親しんでいる吉備団子だ。このお菓子を目にすると、「桃太郎さん、桃太郎さん、お腰につけた吉備団子」という童謡が耳の奥底から聞こえてくる。そして、犬や猿のおつきの動物達が目に浮かぶ。
 吉備団子の由来が箱の裏に書いてあった。それを読んで、ひとつ知識が増えた。何故ならば、この菓子は岡山在住の茶人によって、寛永時代に創意工夫された茶菓子であったことがわかったからである。当時としては、「高尚佳味なる珍菓」として池田藩主に献納されたとのこと。
 現在の茶道に使われる主菓子は非常に高価なものになっている。しかし、かつては素朴を旨としていた。いずれの分野にも言えるることだが、原点に戻り、質素であることを忘れないようにしよう。