中野の甘味屋

昨日、仕事帰りに中野に寄り、ブロードウェイに通じる商店街を歩いた。昔、買ったことのある洋品店に寄ってみた。「こちらのお店、もう何年になりますか?」と店の人に尋ねると、すかさず返事が戻ってきた。「67年です」
 そこで私も応じた。「私はこちらのお店、55年前から知っています」
 そのあと、すぐ近くにある甘味屋に入った。店頭の「氷」と書かれた例の旗に誘われたからである。店内は客でいっぱい。コロナの夏の思い出にと、かき氷を注文。
 すると大きなペンチを持ったおじさんが店の奥へと入って行った。店の女主人が「見積りをお願いしますよ」と言う声が聞こえた。どうやらそこの店のエアコンが壊れたらしい。猛暑で降参。
 中野からバスに乗って西武新宿線の新井薬師寺駅まで行った。西部新宿線の沿線に在った本屋がすべて無くなってしまったと聞いていたが、駅前の古本屋はまだ頑張っていた。店内は蒸し風呂。だが、店主は運慶の仁王像の如く、店を守っていた。