子はかすがい

先日、30歳代後半の元生徒さんと電話で話している流れで、「子はかすがいだから」という表現を私が使うと、彼はすかさず訊いた。「かすがいって、何ですか?」
 そこで、「建築に使われるものですよ。あえて分かりやすく言うならば、扉と扉をつないでいる蝶番みたいな役目をするものとイメージしてください」と、私は答えた。
 電話の後、私は<かすがい>という単語を調べた。まず驚いたのは、漢字が難しい。<鎹>という字なんて書いたことがない。柱と柱をつなぐ金具で、[ のような形をしている。
 今日の結論=高齢者と一緒に住まなくなった人達には、昔よく使われていた表現を聞く機会が無い。新しい時代に押し寄せて来る単語で暮らしている。それもありかなあとは思うが、小説等を読み、昔の表現を少しは知って、残していってほしい。