白い恋人

 先日、札幌から上京された元生徒さんから「白い恋人」の手土産を頂戴した。
 「毎回、お土産を買って来られるのは大変ですから、遠慮します」と私が言うと、彼女は面白いことを言った。
 「北海道の土産は<白い恋人>しかないみたいと思われるのがいやなので、あまり買いたくはないのですが、今日、千歳空港にものすごい数のタイ人が<白い恋人>を爆買いしておりました。それを見て、ついつい引きずられてしまいました。というか、タイ人に全部買い占められてはなるものかという変な心理がもたげました」
 それを聞いて、北海道旅行を楽しんでいる大勢のタイ人達を想像してみた。雪を見て、<白い恋人>を買う。タイに帰ったら親戚や友人にお土産を渡す、そして、その親戚や友人達が北海道にやって来る。なるほど、タイ人観光客が増えるわけだ。
 余談だが、私は先月、大阪で発売されているという<黒い恋人>をいただいた。ブラックユーモアであることはわかっているが、ネーミングとしては、やはり白いほうが優っている。