炉開き

 今日は私が所属している茶道教室で「炉開き」が行われる。茶道の世界では正月に相当すると聞いて、緊張が走る。
 「炉開き」では、夏の間使っていた風炉から炉に切り替わる。そして、八十八夜に摘んで茶壷にしまっていた新茶の封を切るならわしだそうだ。
 いずれにせよ、日常生活においても切り替えは必要である。衣更えもその一つだ。いつもまにか惰性に陥っている自分に喝!
 先週、私は茶道講師に訊いてみた。
 「現代の男性は何のために茶道を習っていますか?」
 戦国時代の武将であれば精神統一のためであったと思うが、今は戦場に出向いて行くわけでもない。茶道講師はこう答えられた。
 「茶道は総合芸術ですから、陶器や書に関心を持ったり、あるいはその他、いろいろな文化や歴史に関心を向けておられると思います」
 芸の道はお金も時間もかかる。自分の身の丈にあった範囲内で、地道に続けていくしかない。