マンダラという単語

今日からNHKのEテレ番組「こころの時代」で、曼陀羅の世界が取り上げられている。これから月に1回の割合で放送されるようだ。
 第1回目は「なぜマンダラか」という題目で、曼陀羅の絵柄が有する円形、対称性、そして、機密性について語られ、精神分析で知られるユングも影響を受けていることが宗教学者によって解説された。
 それはさておき、曼陀羅(マンダラ)と聞くと、私はタイ語の「มณฑล monthon モントン」が頭に浮かぶ。もちろん、この単語の本家本元をたどれば、サンスクリットやパーリ語に行き着き、まさしく曼陀羅にほかならない。
 タイではラーマ5世時代からラーマ8世時代まで、この「monthon」を行政単位として使い、「เมือง muang ムアング」よりもさらに上位にあった。わかりやすく言うならば、現代で使う「ภาค phaak パーク」に相当するようだ。
 人間の集合体である国、その中で蠢く人間。しかし、曼陀羅の絵図に描かれるような整然としたものではない。自然災害に遭えば、実に脆い。