令和元年初日

令和元年初日(5月1日)午前6時45分、私は鳥取駅のホームにいた。「スーパーいなば2号」で岡山まで行くために自由席の列に並んでいたら、すぐ前にタイ人らしき若い女性が3人。耳を傾けて彼女達の会話を聞いたが、タイ語ではなかった。ベトナム人であった。「シンチャオ!」と声をかけると、とても喜んでくれた。
 令和の初日、私は来た時と同じく、再び中国山地の峠越えをした。新緑の世界に幸せを覚えた。そして、岡山から松山行の「しおかぜ5号」に乗り、瀬戸大橋を渡って丸亀下車。両親の先祖の墓参りが目的であった。眠っている先祖の皆々に新しい御代になったことを知らせたかった。
 宇多津に在る母方の寺ではご住職が境内の掃除をしておられた。少しだけ立ち話をして、日頃からお世話になっている御礼を述べる。祖父母の墓の草取りに90分。さすがに疲れた。すると、境内のどこかから玉砂利を掻き清める音が聞こえてきた。見ると、中学生らしき少年だ。ご住職の息子さんと思われる。それを見て、この寺は永遠に続くと思われた。