「左手のピアノ国際コンクール」とタイ人ピアニスト

昨日、NHKのBSで、「第一回左手のピアノ国際コンクール」(於:箕面市 2018年11月2~4日)が再放送された。ピアノの音色を聞きながら編物をしていたところ、突然、私の手が止まった。何故ならば、そのコンクールにタイ人青年が参加しており、タイ語が聞こえてきたからである。
 NHKは出場者の数人に関して、彼らの精神的苦悩を生活の場にまで入って取材していたが、その中の一人として、タイ人青年のガン・チャイキティワタナさん(21歳)も含まれていた。
 したがって、映像はバンコクに飛び、ガンさんがマヒドン大学の恩師を尋ね、恩師から「左手のピアノ国際コンクール」に出ることを勧められる様子が映し出された。その恩師は日本人女性で、バンコクに20年も居住し、タイ人にピアノ指導をしておられるとのこと。コンクール当日にも応援に駆けつけておられた。すばらしい指導者であることか!
 ガンさんは2位であった。彼はヨーロッパのオーケストラと一緒に演奏したこともあるので、高度な技術と精神力の持ち主であることが素人の私にもわかった。局所性ジストニアという病気(=脳が誤作動を起こし動かしたい部位が思うように動かなくなる)を抱えた彼。しかし、同じ病気をかかえる日本人ピアニストと同じく、ピアノにかける情熱はプロ級であった。