2才の坊や

昨日の午後、キャリアウーマンが第2回目の個人レッスンを受けるために教室にやって来られた。だが、彼女よりも先に坊やの姿があった。物怖じすることなく、つかつかと教室に入り、ミニカーを持って教室の壁を走らせまわる。そのミニカーはタクシーと三輪車であったが、いずれもタイ製で、タイ文字が書いてあった。
 坊やはバンコク生まれ。生後4ヶ月、バンコクの保育園に預けられていたそうだ。タイ人講師がびっくりして言った。「ไม่กลัวคนเลย(ちっとも人見知りしないわ!)
 ところで、ママが授業を受けている間、この坊やは何をして過ごすのかしらと心配していたら、ママが「大丈夫です。これが有りますから」と言って、子供用クイズ(絵合わせ)が入ったタブレットを坊やに与えた。私は興味を覚えたので坊やの横に座り、彼の指の動きを観察した。自分で電源を入れて、すいすい遊ぶ。飽きることなく何回も繰り返す。
 「どうしてこんなに単語を知っているの?」とママに尋ねると、「幼稚園に行ってますから」とのこと。
 私は坊やの指の動きが毎回、早くなり、確実性を強めて行くのを見た。「完成!」、とか、「万歳!」と言ってあげると、彼も同じく声を上げ、両手で万歳した。90分はあっというまに過ぎた。2才の坊やと72歳の私。70年の年の差を忘れ、私も楽しめた。